機械系ユーザーエンジニアとは?

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そもそもユーザーエンジニアって何?

皆さんはユーザーエンジニアという言葉を聞いたことはありますか?

船舶や航空機を例に挙げてエンジニアについて考えてみると、多くの方は実際に船舶や航空機を製造している重工メーカーをイメージするのではないでしょうか?

しかし、実際は船舶や航空機などの機械は製造して終わりではなく、運航会社が保守・運用を続けていく必要があり、これらの運航会社(ユーザー側)でエンジニアリング業務に携わる人々をユーザーエンジニアと呼びます。

今回の記事では、著者の本業である機械系ユーザーエンジニアリングの仕事について、簡単に説明したいと思います。

なぜ運用する会社にエンジニアがいるの?

運用と保守って何?

運用・保守についてもう少し掘り下げていくと、運用は「使うこと」、保守は「品質を維持すること」と言い換えられます。

海運会社を例に挙げて説明すると、

  • 運用:海運会社が人や物を輸送するために、日々船舶を運航すること
  • 保守:故障した船舶を修理したり、故障を未然に防ぐために定期的に点検すること

などが運用・保守業務の一つに挙げられます。

ユーザーエンジニアの存在意義って何?

ユーザーエンジニアはメーカーとユーザーの知識を併せ持つエンジニアです。

メーカーの立場とユーザーの立場の両方を理解していると言い換えることもでき、この点がまさしくユーザーエンジニアの存在意義と言えると考えています。

メーカーとユーザーの立場の違いを理解するため、部品の故障を例に挙げて説明します。

ケーススタディ

背景

あるユーザーが日々運用している機械について、過去に故障した原因を調査したところ内部に組み込まれている部品が腐食し、動かなくなっているケースが多発していることが判明しました。

ユーザーは当該事例をメーカーに報告し、原因の究明と対策の立案を求めている状況です。

メーカーの立場 VS ユーザーの立場

まずはメーカーの立場から見ていきましょう。

  • 腐食した部品のデザインや製造過程に欠陥はない。
  • 過去に何度も実施した試験の結果から、腐食した部品は十分な耐腐食性を持っている。
  • 当該ユーザー以外で同じ機械を運用している会社もあるが、同様事例は発生していない。

部品のデザインや製造品質に問題はなく、他社事例はないことから、「当該ユーザーにおける機械の運用方法が悪く、部品が腐食しているのではないか?」という考えを持っているようです。

では、次にユーザーの立場を見ていきましょう。

  • マニュアルに従って機械を運用している。
  • 当該部品の腐食による故障が続くと、機械の運用に影響が出てしまう。

ユーザー側は機械の内部構造や動作する仕組みについて詳しくないため、メーカーに原因の究明と対策の立案を求めるしかないようです。

お互いの言い分を見てみると、このままだとメーカーとユーザーの主張が平行線となり、議論が進まなさそうです。勘の良い方はお気づきかもしれませんが、ここでユーザーエンジニアの出番です!

ユーザーエンジニアの役割

機械系ユーザーエンジニアは、機械の内部構造や動作する仕組みに関する知識(メーカーの立場)当該ユーザーにおける実際の機械の使われ方(ユーザーの立場)の両方に精通しています。

つまり、メーカーとユーザーだけでは到達することができなかった、新たな着地点に議論を持っていくことができるのです。

先ほどのケーススタディに戻りますが、メーカーや部品を使用しているその他の会社がヨーロッパに位置するなか、当該ユーザーだけが赤道直下のアジアで機械を運用していると仮定しましょう。

高温多湿の環境下で機械を運用した結果、メーカーもその他のユーザーも予想しなかった部品の腐食が発生した可能性があると言えるのではないでしょうか?

このように、「機械の内部構造や動作の仕組み」と「部品の使われ方や使われる環境」の両方を理解していることこそ、ユーザーエンジニアの存在意義といえるでしょう。

まとめ

今回の記事はいかがだったでしょうか?

著者自身の仕事への向き合い方を考える良い機会にもなりますので、今後も機械系ユーザーエンジニアに関する記事を書いていく予定です。お楽しみに!

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